2020-12-15
魔都の果実
「好きな品種は?」と聞かれれば
”はるみ..♡”それから”甘平..♡”と、
直ぐに答えられるのがうちの嫁さん
僕は「ぅ~..」としか答えられない。
果物は剥いたり切ったり
メンドくさくて昔から
あまり手が伸びない(泣)
今は果樹園を経営していることだし、
状態の確認で試食はもちろんします。
「植えたい品種は?」と聞かれれば
片手の指ほどは直ぐに出てくる。
人がやりたがらないか、未知の品種。
では、我が園地でなっている種ではどうか。
これは「天草」に尽きる。
「愛媛果試28号」、いわゆる「紅まどんな」のお父さん。
すでに終わった感があり、過去の品種と片付ける人は多い。
しかしこの季節になって色づく頬紅の際立った上品さは類を見ず、
独特の香りはどうかと言えば、オリエンタルと形容するしかない。
1920~30年あたりの上海で
妖麗な女スパイがチャイナドレスに身を包み
「天草」の果汁で喉の渇きを癒してる様が
鮮やかに映像として浮かびあがる。
ズタボロだった木に今年から
切り上げ剪定という整体術を入れ始めた。
全ホルモンが活性し血流が良くなるように。
先ずは木を元気に!
果実の質はそれだけでそれなりについてくるはずである。
そこからの細かい調整はアタマに入っている。
あくまで指標だが糖度が上がれば
先の妄想が妄想でなくなる。
やるで。