2021-05-22

花咲かせず爺さんになる。

みかんの花が咲き、
無邪気に喜んだのは
就農して最初の一年目。
もちろん白い花が咲き
その甘い匂いや色彩には
多少なり心も和らぐが
三年目となった今春。

剪定とは?
「いかに花を咲かせないようにするか。」

自分たちが仮に、
売られているみかんを選ぶのに
どこを見て買うだろうか?
ヘタの軸の太さは当然見て選ぶだろう。

軸が太い=直花(枝から直接出る花)
軸が細い=有葉花(枝から新葉を伴って新芽の先に出る花)

直花は有葉花に比べて圧倒的に数が多い
たくさん花がつけばもちろん樹もクタる。
通常は収量を上げるために肥料で
樹を生かさず殺さず状態にする。
チッソの大量供給でお味には?がつく。
アンモニア態チッソが果実にも溜まる=エグ味
植物のホルモンバランスもおそらく、
メチャメチャに崩れていると思われる。
隔年結果を助長する。

果実の質と樹体を考えれば
どちらの花を主に咲かせるべきなのか。

一般的な剪定=立ち枝を切る>横枝には直花がべったり咲く
表年には着花過多、裏年には芽ばかりの激しい隔年結果を招く。

切り上げ剪定=立ち枝は切らない>最低限の有葉花が咲き、
翌年の芽も同時に出てくる。緩やかな連年結果に移行する。

素人の僕たちは最初から
真逆に歩くことになった。

ともかく、
せっかく花が咲き、華やぐ季節なのだから
必要以上の花を咲かせすぎて
憂鬱にならないようにしたい。